KJ-monasouken’s diary

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統帥権干犯問題について(日本近代史)

福田首相がメルマガにて日銀総裁人事についてこういうことを言っているようです。(以下、日経からの抜粋)

「唯一正道を歩まん」。
福田康夫首相は二十日付のメールマガジンで、昭和初期に軍部の反対を押して軍縮を進めた浜口雄幸元首相の言葉を引用しながら、民主党の反対が予想された武藤敏郎、田波耕治両氏をあえて次期日銀総裁候補として国会に提示した心境を説明した。


首相は「空白を避けるため当たりさわりのない人物で政治的妥協をはかることはできた」としたうえで「日本経済や国民生活に大きな影響を与えるポストだからこそ、逆に人物本意を貫くべきだと考えた」と強調した。

まあ、武藤氏、田波氏が人物として日銀総裁にふさわしいかはともかくとして、浜口雄幸の言葉を引用しているということは、統帥権干犯問題の議論が頭にあったんだろうと思う。


統帥権干犯問題について(日本近代史)
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/history2/1160177746/

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/10/07(土) 08:35:46 ID:4rRLhIcF0
政党政治政党政治を殺した。
今、最も反省すべき拙劣がここにある。
http://www.google.co.jp/search?num=50&q=%93%9d%90%83%8c%a0%8a%b1%94%c6&ie=SJIS&oe=SJIS&hl=ja&lr=lang_ja


5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 09:35:41 id:Zw8A8UF50
>>4
けっこうな事だね
思想はどうあれ歴史の功罪両面を把握できる人はいいのだが
戦前の日本は議会制だったって誇らしく語る人に統帥権問題を持ち出すと
反論もせずに沈黙するのが多いからね


15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[age] 投稿日:2006/10/09(月) 22:20:04 id:QSckTRVR0
政友会は後先考えずふざけた行動に走るよな…
統帥権しかり、天皇機関説事件しかり…


16 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/10/09(月) 22:24:51 id:cW5TXjX+0
>統帥権の独立は間違い

そう思っていても言えるようになったのは戦後のはず。
昭和になって国体変革思想を撲滅しようと思想国防まで
打ち出した閉塞的雰囲気の下では時の権力者といっても
迂闊な考えを口に出すなど自殺行為。明治の制度設計ミスだね。


18 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/10/10(火) 00:01:49 ID:bc8EXVmyO
皮肉な話だが、統帥権は、
法制的、機関的天皇が生んだ魔法の権力だよ。
文武百官を総覧する、という古い中国の君主制を下敷きに、
明治の天皇は出発しているが、
それらは次第に法制化され、天皇は機関化していく。
創業者の明治帝が没するとその傾向はいっそう強まる。
逆に言うと、軍人は実質上の臣下というより、単に儀礼上の臣下となり、
代わりに無限に近い権力を持って膨らんで行く。
げんに、美濃部の天皇機関説は批判を浴びたが、
仮に天皇が軍部に対して直接の指揮をしたなら、
その抵抗反応はテロに発展したことは想像にかたくない(あくまで、想像だが)。


20 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2006/10/10(火) 21:36:15 id:YByKRS8G0
>>16
大正の頃は言えたんじゃない?
原内閣の時には参謀本部解体の話がでたり、陸軍大臣ですら
いずれは軍令を軍政の下に置くよう改革する必要があると
言ってたみたいだし


23 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/10/22(日) 13:39:15 id:rsjsxM2k0
2月の総選挙で大敗した野党の政友会総裁の犬養と鳩山一郎衆議院で、軍令部の意見を無視した条約調印は統帥権の干犯であるとの攻撃を、
外交・軍事両面にわたり穏健政策を進めた民政党浜口雄幸(おさち)内閣に対して行なった。
政友会の目的は、海軍の強硬派と連携して統帥権干犯を口実にした倒閣にあったが、この動きは軍令部の不満層や右翼団体を大いに刺激した。


政友会の幹事長鳩山一郎らによる政治の自殺行為だったことはあきらか


43 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/01/22(月) 21:03:17 ID:OJuAQ80s0
考えてみりゃ満州事変こそ本当の意味での「統帥権干犯」でないの?


44 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/01/22(月) 21:49:14 id:e6eCIi7Y0
>>43

その通り。石原、板垣らは本来銃殺されて然るべきだった。


45 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/01/23(火) 23:20:33 ID:P/XbooN80
統帥権干犯」問題はロンドン条約満州事変の時に軍人ですら非難してる人間がいる。

「昭和十年頃に起こる日本対世界戦争」著者:石丸藤太(海軍少佐)昭和7年5月出版より引用
『…今度の満州事変では、我が軟弱政府はこと毎に軍部と意見を異にし、然も
軍部を抑え得る知と勇が無かつたため、在満軍事機関は政府の方針如何を顧みる
ことなく、関東軍司令部の有する統帥権を振りかざして、彼等の所信に独往驀進し、
底止するところを知らずという有様であった。然るに統帥権の前には総理大臣と
雖如何ともするを得ないので、政府はそうした軍事行動に手の下しようもなく、
唯だ軍部に追従して跡始末に奔命したというのが事実の真相である』
『ロンドン海軍条約で政府対軍部の争いを惹起した我が統帥権問題は、ここに至て
対内的の垣根をこへて対外的問題とまで進展した。憲法学者が時世の進歩につれて
眼を開かねばならぬところはここにある。然も我が軟弱政府には、如何にして之を
調和するかの研究も準備もなかったのであった』
統帥権の独立が、時代遅れの思想であり、之を国内的に見れば二重政府の樹立
という珍妙にして有害なものとなり、之を国際的にみれば、軍部と政府の無統制
となりて、ここにも亦極めて有害、延ては世界の平和に悪影響を及ぼすことは既
に之を述べた』

当時は世論調査も行われてないから、比率は分からないにせよ、普通に出版されていた
書籍に現役軍人からこんな風にキツイ批判が行われているところからすれば、同様の
見解を持っていた人間は少なくなかったと見るべき。
それが改められる事が無かったのは、結局戦前・戦後を通じて日本に巣くっている
憲法は不磨の大典であり改正を論じる事自体ダメ」という意識のなせる業だろう。


46 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/01/26(金) 20:01:42 id:puqbLE7W0
戦前ウヨがわめいた「統帥権干犯」の理論を考えたのって結局、北?それとも
海軍?
 

47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/01/27(土) 10:44:41 ID:4cYuMGGw0
>>46
誤解しているようだが統帥権干犯で大騒ぎしたのはウヨサヨではなく
「野党側」だよ。
目先の政府批判のダシに使っただけなのだが、それ故にこそどんどん
拡大解釈されていって自分たちのクビを締めてしまった。


50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/02/07(水) 21:33:49 id:d14uJDaQ0
>>47
軍縮条約や予算なんてのは、どう考えても軍政=政治の分野なんだよね。
だから、作戦上の権限(=軍令)である統帥権とは本来関係ない。
予算と人事権を政治家が握っていれば、十分に軍部をコントロール出来る。

で、統帥権を政治の分野にまで拡大解釈したのは、右翼や軍人ではなく政治家。
名前を挙げると、犬養や鳩山といった当時の野党の連中。
与党の揚げ足取りをするために、こんな滅茶苦茶な論理を編み出した。
要するに自分たちの権力欲のために、国家・国民をないがしろにしたわけだな。

で、これは今でも変わっておらず、権力ボケの小沢民主党も同じ事をしているわけで。
政策論議などせず、くだらない言葉の揚げ足取りに終始している。
しかも、国民の血税を浪費して。
この国の政治家って、基本的に何も進歩していないように思える。


58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 16:08:10 id:iYKxZllT0
統帥権の独立って法理的にも解釈できるか微妙なところだと思うんですが、
なぜ政治家は軍部に押し切られちゃったんですか?
ロンドン軍縮のときに言い出したのが政友会だったから政治家が反論することも難しく、
また天皇の神聖不可侵といった道徳観からズルズルいっちゃったんですかね?


60 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/03/22(木) 19:41:34 id:t5GlirK40
>>58
政友会も悪いが、憲政会もまた逆に政友会に同じ理屈でケチつけた上に
満州事変の時には「戦線を拡大しないよう司令官に厳命する」という国連決議
に対して「統帥権の干犯になるのでそれは出来ない」と言って修正させたり
してる。
政友会と憲政会の二大政党が両方、目先の政争や駆け引きの道具にした結果
があの異常な肥大化を生んだんだよ。


64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 22:54:10 id:WA3K5piU0
>>58
最初、軍部自体は陸海軍関係なく、統帥権は純粋な作戦に関する権限と考えていた。
これを無制限に拡大する解釈をしたのは、政治家ども。
で、軍部の一部がこれに便乗し、あとは暴走。
自分たちが言い出しっぺなわけだから、軍部を押さえられるわけがない。
もしも異を唱えれば、責任問題になりかねないしね。

結局、権力欲と保身しか頭になかった政治家どもが、自分で自分の首を絞めたって事。
思うに、民主主義は日本じゃ早すぎたんだな。
大正デモクラシーは結局のところ、日本に何も利益をもたらさなかった。

前々回紹介したスレでも、今回の日銀総裁選びを統帥権干犯問題になぞらえるレス(>>837)があったが、大して意味があると思えない「日銀の独立性」を盾にして与党に打撃を与えようとしてるところは同じか。(日銀法の改正によって日銀の独立性が担保されるようになったのが平成10年なわけだが、その後の日本経済はそれ以前に比べて良くなったと言えるだろうか?)


財務省出身だったら日銀総裁になれないというなら、人材を選ぶときの選択範囲をわざわざ狭めることになる。何度も指摘されてるように、海外でも珍しい話でもない。百歩譲って財務省以外から選ぶにしても、副総裁候補として挙げられた伊藤隆敏氏を否決してるのは変だ。経済財政諮問会議議員で政界とのつながりが強いからダメだと言うのなら政界とも官僚とも全くパイプのない人を連れて来いって話で、そんな人をいきなり日銀総裁にして上手くいくんだろうか?実質お飾りにしかならないような・・・。


また、インフレターゲット論者だからダメだというのなら、、ここで指摘されているように「インフレターゲットはインフレを起こすことが目的ではなく、インフレを低位だがマイナスではない範囲に安定的に抑える政策だ(したがってガンガンインフレ率をあげようとするわけではない)」ということを説明しているにも関わらずろくに理解してない可能性が高い。


福田首相メルマガには「民主党から個人の意見は述べられても、党の意見として総裁にふさわしいと考える人物」の名前が出されたことは一度もありません」と書かれている。責任の押し付け合いをしているともとれるが、民主党は大連立騒動の際、小沢党首が辞める辞めないで大騒ぎした党なので、本当に党内で意見がまとめられているのか、疑わしくはある。


民主党のストライクゾーンがよくわからないので、ど真ん中に投げないとストライクにならない。今までの流れを見る限り民主の「ど真ん中」とは日銀生え抜きの利上げタカ派のようなので、正直、武藤総裁か福井総裁続投の方がまだマシだったという話になりかねない危惧がある。(まあ、事務次官クラスを続けて2回というのは、いくらストライクゾーンがわからないとは言え暴投のような気はするが・・・今までの経緯もあるだろうから1球目の武藤氏はしょうがないとはいえ2球目の田波氏は無駄球)


少なくとも、民主党日銀総裁・副総裁否決の理由はいまいち納得がいかないし、やはり政争に利用しているとしか思えない。小沢党首が党首会談にも応じないというのはどういうことだろうか。



若手にはちゃんとした人がいるのかもしれないけど、こういうことを平気でする民主党には投票したくないですね。今後、自民党に不満がある時は棄権か(政局的にあまり影響がない)共産党にでも入れることにしよう。


まあ福田首相の判断が問題ないかと言うとそうとも言い切れないようですけど。ただ、彼は一応受けるべきペナルティ(支持率・求心力の低下)を受けることになるし、経緯はどうあれ結果責任は避けられないだろうが、民主党にはそれもない。(財務官ならOKという話は確かにあった・・・とはいえ鳩山氏が言ってただけで小沢氏がどう考えたのかは不明)。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200803200034a.nwc

民主党菅直人代表代行は19日、2度も次官経験者を提示するという空席覚悟の“自爆テロ”ともいえる暴挙に、こう吐き捨てた。


 田波氏提示には、財務省内の勢力争いも見え隠れする。


 民主党は「同じ財務省OBでも、国際金融を担当する財務官経験者ならOK」というサインを送り続けていた。


 有力候補は、アジア開発銀行(ADB)総裁の黒田東彦(はるひこ)氏と、国際金融情報センター顧問の渡辺博史氏の2人。


 ただ、任期途中の黒田氏を起用すれば、日本が確保するADB総裁ポストを中国や韓国に奪われるリスクがある。このため、昨年7月に退任し、“浪人中”の渡辺氏に注目が集まった。しかし、福田首相は財務官カードを切らなかった。


 同じ大蔵一家でも、保守本流である主計局と国際金融局との間には高い壁がある。


 「福田首相は主計局に配慮すると同時に、若い渡辺氏では、武藤総裁の芽が完全につぶれると判断した」。自民党内ではこんな解説が流れている。

 次官経験者への固執をめぐっては、赳夫元首相時代から連綿と続く大蔵OBの影のほか、官僚頼みの政策運営への影響など、もっともらしい理由が挙げられているが、その心中は定かではない。

追記

首相メルマガのバックナンバー。

[日銀総裁問題。福田康夫です。]

 いずれにせよ、今回の事態は、日本が政治的に重要な決断を行えないとい
うメッセージを国際的に発信する結果となりました。

 拒否権を振りかざし、時間切れに追い込むような態度だけでは、国民に対
する政治の責任は果たせません。

 政治は結果責任を負うことはもとより、日銀総裁を不在にしたことは私の
責任ですが、日銀やこのような政治の状態を一刻も早く立て直すことも、私
の使命であり、責任であると考えています。

少なくとも、ねじれ国会になったのは福田首相の責任じゃないんですけどね。そういう意味では気の毒。

連立に失敗した時点で、福田政権の短命は約束されたようなものなのかも。