KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

トンデモ本の世界S、T」を読んだ。

と学会の本は、最初に出た「トンデモ本の世界」が一番面白くてあとはそれほどでもない気がする。

最初の本だけに、五島勉とか清家新一とかのビッグネームが出てくるからだ。

でも、Sの方のあとがきの「目にとびこんだウロコの話」は面白かった。

ショートショートの大家、故・星新一先生の「目にウロコが落ちたのと飛び込んだのはどう見分けるんだ?」と言う言葉から始まって、「目にウロコが飛び込み、視野にフィルターをかけることによって物事がよく見えるように思い込むことがあるものだ」と言う話。

「○○が諸悪の根源である」と言う考えはたいていウロコであり、間違っている。世の中の複雑な構造をそんな短い文章で要約できるわけがない。単純に図式化すれば分かりやすくはなるだろうが、正しくはない。それが正しいように見えるのは、図式に合わない事実をフィルターが切り捨てているからだ。

まあ、大体において勧善懲悪のシンプルな構図は分かりやすくて大衆受けしやすいものである。また、言いたいことと合わない事実を故意または無意識のうちに隠すのは特に珍しくもなく、むしろメディアに出るほとんどの人がやっている行為でもある。そうしないとメッセージとしての力が弱くなるからだ。

歳をとると、世の中の人々と言うのはそれぞれの場で頑張って生きているものであって、昔のヒーローもののように世界の悪を全て引き受けてくれるような人々など存在しないことが何となく分かってくるものである。

僕自身、中学高校のころは五島勉とか落合信彦の本を読んで喜んでいたので、若い人が「正義の味方」面した人間をもてはやすのを見ても笑うに笑えない。

表現者の方に悪意がない場合でも、自分に都合の悪い情報はなかなか受け入れがたいものであるから、表現者自身の考えとして消化することが難しいのかもしれない。

結局は読み手の側が適切な情報を選び取るしかないのだろう。