KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

賢者の海外投資術・生物と無生物のあいだ・あしたのジョーの方程式・銭ゲバ


黄金の扉を開ける賢者の海外投資術

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術


この人の書く本はクールで文章に魅力がある。「ゼロ金利量的緩和は亡国の政策」という主張だけには賛同いたしかねるが(量的緩和せざるを得ない状況が問題なわけで、量的緩和そのものが亡国の引き金を引くわけではないと思う)。


でも、全体的には面白くて分かりやすく良い本。



生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

分子生物学の本だが、新書だけあって読みやすく仕上がっている。でも、科学者の世界でもやっぱり人間臭いドロドロした競争があるんだな・・・




あしたのジョーの方程式

あしたのジョーの方程式

あしたのジョー」はメッセージ性の強いマンガなので、これまでもいろいろと評論がなされてきたし、某匿名掲示板でもああだこうだと議論がなされているのであるが、個人的にはこの本で提示された読み方が一番腑に落ちた。

ジョーは、それまでは「誰か」と戦っていましたね。力石と、そしてカーロスと。
でもこのホセ戦はホセと言う「誰か」と戦っていると言うよりは、チャンピオンと言う地位であり、少年院流ではなくファミリー的な生き方をする「ものごと」と戦っている。価値観のようなものと戦っている。
そんなものと戦って、最後までやり切って、しかもちゃんと真っ白になれたと言うことは、ジョーはそれを乗り越えたと言うことですね。


やり遂げた、ということだよね。

こういう読み方をすれば、ファミリー的な生き方を選んだマンモス西や紀ちゃんが最後のホセ戦で応援にも来ていない状況と上手く繋がるような気がする(ちばてつや自身は無意識のうちに忘れていただけ、というような話を読んだような記憶もあるが・・・。この本自体「作者自身も気づいていない所を深読みする」と言うことを目指しているのでそれはそれ、としても良いかと)


最後に、やっぱりジョーのようには生きられない、というのを認めているのも正直でよい。

―島本さんとしては、どういう生き方がいいわけですか?


それは、ホセでしょう(笑)

普通の人間には「ついていけそうにない・・・」としか見えないし、だからこそ名作なのでしょう。



銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)

銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)


いや、この漫画すごいわ。金に執着しながらも哀しさを感じさせる主人公のキャラ設定が良い。


「不幸には2つしかない。金の無い不幸と金のある不幸だ」とはドラマ「ハゲタカ」の名セリフだが、30年も前に両方の不幸を描き切っている感じですね。