KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

さよなら、アベノミクス

参院選もあることだし、久々に、この記事以来、日米株価の比較グラフを更新してみる

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こうしてみると、安倍政権も長くなったものだと思うが、どうも、当初は急速に縮めていた米株との差が縮まらなくなり、最近では、むしろ広がっているように見える。

そこで、安倍政権成立直前からの、TOPIXS&P500の比率推移をグラフで作成してみた。TOPIXが分子なので、上に上がれば、米株に比べて日本株のパフォーマンスがよくなっていることになる。

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やはり、民主党政権の退陣期待により急速に日米株価ギャップが埋まったものの、チャイナショック以降米株との差が広がったことが分かる。

消費税率の10%引き上げを延期したことにより、それなりに持ち直したが、黒田総裁の再任以降は差が広がる一方で、比率的には民主党政権末期と大差ない状況になってきている。

黒田総裁は、確かに異次元緩和で日本経済を好転させた功績があるとは思うが、しょせんは財務省出身者の枠を出ないところがあって、消費税率引き上げには前のめりの感があった。それに、最近では金融緩和にもあまりやる気が見られず、存在感が薄くなっていたことは確かである。

「もしかしたら、黒田総裁の任期満了を期に、より金融緩和に対し積極的なメッセージをだすのでは?」とも思っていたのだが、結局は黒田総裁の再任で、これは「これ以上何もしないよ」というメッセージとしか思えなかった。

これと同じタイミングで、米株との差が広がっているのも象徴的に感じる。この状況で、消費税率を10%に引き上げれば、さらに差は広がることになるだろう。

思えば、2度にわたって引き上げ延期をして、そのたびに安倍首相自らが多大な政治力を使っているにも関わらず、凍結にすら踏み込めなかった。安倍首相に無理なら、ほかの政治家には無理だろう。

どちらかというと、マスコミの長期間にわたる報道で、国民一般にすら「消費税増税はやむなし」という空気が醸成されている。

ほかのどうでもいいことにはうるさい癖に、消費税増税については、野党もマスコミもろくに異議を唱えない。 (確かに、今、野党の多くが消費税凍結を訴えているが、選挙前のポーズに過ぎないことはミエミエだ。本当に消費税凍結の議論をする気があるなら、すでにその前の段階で国会の争点になってないとおかしい)

下手すると、後世、「安倍政権の最大の功績は、消費税率を5%から10%に上げたことである」と言うことにされるのではないか?(実際、消費税導入の観点で竹下登を評価する記事を見たことはある)実際の国民生活がどうかより、「財政再建」を評価する空気というのが明らかに存在しているように思う。

結局、これだけの長期政権でありながら、最終的には自ら「アベノミクス」の旗を降ろすことになるのだろうか。 私は、アベノミクス(および、安倍首相自身)に対してそれなりの評価をしているので、正直、残念というほかはない。

今回の選挙くらいは、大過なく乗り切れるのかもしれないが実際に消費税率が上がって、国民生活に影響が出始めたら、今のような安定政権でいられるかどうかはわからないように思う。