KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

雑文集/アナタはなぜチェックリストを使わないのか?


村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集

こういうちょっとした文章にも人柄はにじみ出るものだな、と言う気はする。

ネットでも有名になった「壁と卵」も素晴らしいのだが、真面目な文章もちょっとふざけた感じの文章もあって、「雑文集」とはよくつけたタイトルだと思う。


図書館に関する文章を書きうつしておこう。

図書館の話をしよう。


図書館に入るたびに、それがどのような図書館であれ、僕はいささかの驚嘆の念にうたれることになる。子供のころからそうだったし、今でもそれはかわらない。小学生のころ、僕は図書館に行くのが何よりも好きだった。(野球をするのも好きだったけど、残念ながら野球場の中では僕はそれほど優れた存在ではなかった)。学校が終わると、よく自転車に乗って市の図書館に行った。そして少年用の書物を集めた部屋の書架から書架へと歩きまわり、そこにぎっしりと並んだ過去や現代の、あらゆる国からやってきた無数の物語を眺め、目もくらむような思いをしたものだった。まるで、深い森から出てきて、空を背景にそびえ立つ中世の巨大な王城を、初めて目の前にした子供と同じように。

<中略>

図書館とは、もちろん僕にとってはということだけれど、「あちら側」の世界に通じる扉を見つけるための場所なのだ。ひとつひとつの扉が、ひとつひとつ異なった物語を持っている。そこには謎があり、恐怖があり、喜びがある。メタファーの通路があり、シンボルの窓があり、寓意の隠し戸棚がある。僕が小説を通じて描きたいのは、そのような生き生きとした、限りない可能性を持つ世界のあり方なのだ。

僕も、図書館が大好きな子供だったのでこの文章にとても共感した。僕は、野球をするのはあまり好きでなかったので、村上春樹よりも、より深く図書館の世界に埋没していたような気がする。学校の図書室はあまり好きではなかった。学校の図書室は遊び相手がいない子供のたまり場的雰囲気が若干あったので、そういうのからも一線を置いて孤立したかったんだと思う。小学校時分は家の近所に公立の図書館が無かったので、わざわざバスに乗って行っていた。


社会人になってからはあまり図書館に行ってない。本を読む時間が少なくなったので、貸し出し期限を守るのがちょっときつい面があることと、それなりに経済力もついたので書店で買ってしまうようになったことがある。でも、図書館のひんやりとした落ち着いた空気がなつかしくなることはある。


アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

目から鱗と言う感じの本です。メインは手術時にちょっとしたミスをなくすためにチェックリストを採用し劇的な効果を上げた、と言う話なのだが、投資、建築、航空など様々な業界でチェックリスト使用の成功例があり、それらについての調査報告が記載されているのが面白い。


ただ、結局のところミスを防げるかどうかはどれだけメンバー同士のコミュニケーションが有効になされているかに左右されるんだなあ、と言うことは感じた。