景気循環入門/「山月記伝説」/転身力
- 作者: 嶋中雄二,三菱UFJ証券景気循環研究所
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2009/09/26
- メディア: 単行本
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景気循環研究の第一人者、嶋中雄二氏が中心となってまとめた本。嶋中氏の景気見通しはしばしば他のエコノミストより先行していて面白いので好きだ。
そもそも景気というのは循環するものであり、不景気になるたびに「根本解決」「構造改革」が唱えられるのは奇妙な現象だと言うのが私の基本的な認識である。「構造改革」が重要でないわけではないが、それで全て解決できるわけではなく、毎年やってくる台風にも似ている景気循環の波そのものをなくすことはおそらく不可能だろうと。ならばその波をどううまく乗り越えるかがポイントとなる。
本書の最後の方では、政治的景気循環や世界の覇権国家の後退、「太陽黒点説」などのダイナミックな話に言及されている。「太陽黒点説」とか、昔はオカルトじみているように感じたけど、気象変動に関係があるとするならば経済に影響がないとは言い切れないような気がしてきている。
- 作者: 島内景二
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/10
- メディア: 新書
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先日紹介した中島敦に関する本。
中島敦については、何度か言及している。僕は、就職の最終面接で「趣味は読書です。好きな作家はドストエフスキーとか中島敦とか・・・」と答えたことがある。
世界的文豪のドストエフスキーは面接官も流石に知っておられたようだが、中島敦にはピンとこなかったようだった。その時、「ドストエフスキーには特に似ていないと思いますが、無駄がなくて格調の高い文体が好きなのです」と答えたような記憶がある。
今考えれば「山月記の作者です。詩人が虎になる話の・・・」と言えばもしかしたら通じたのかも。教科書の定番だから。
漢文調の文体は芥川龍之介に似ているが、芥川龍之介はやや厭世主義的な匂いが強いような気がする。作家としての地位が確立されていた芥川と違って、中島敦の場合は生前はほとんど無名だったのでとにかく「これが書きたい」と言う意思が強くでたものだろうか。
この本は、山月記の中で虎になる詩人、李徴が中島本人の投影とされるのに対し、その聞き手となる友人袁サンのモデルとなった中島敦の友人たちにスポットを当てた本となっている。
この本の最後には「山月記」が全文収録されている。中島と友人の魂の交流を知った後で、山月記を読むとまた改めて感慨深いものがある。
- 作者: 小川仁志
- 出版社/メーカー: 海竜社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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何の気なしにブックオフで手に取った本だったのだが、どうやらこの本の著者は私の大学の先輩にあたるらしい(しかも、ゼミまで一緒・・・)。
それだけに、大学時代全然勉強しなかったという著者の話には身につまされるものがあった(合コンやサークルで楽しんでたみたいだからそれはそれでいいじゃねえか、とも思うがまあそれはいい)。
私も、社会人大学院を卒業したわけだし、どうにかして転身を図りたいものだが・・・・。外に出せる論文が書けないとなあ・・・。