KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

長い長い夏休みの終わり(あるいは、発見された行方不明者のメモ)


10年以上前の話になるが、私がかつて京都で大学生生活を送っていたころ、それも卒業を間近に控えた頃のことだと記憶している。


その日の明け方、多分当時の友人の下宿で徹夜マージャンをやった後、徹夜明けのぼおっとした頭で僕らは歩いていた。それぞれの家に帰る途中だったと思う。


その途中、僕らの大学の時計台の前を歩いていた時、時計台を見上げて友人の一人が言った。


「考えてみれば、俺、この大学に入ったんやな・・・。」


彼がどういう気持ちでその言葉を発したのかよく分からないが、「言われてみれば、確かに大学に入学した時は嬉しかったはずなのに、なんだか大して何もしないうちに卒業か・・・」と言う気持ちが僕の胸にわだかまった。


小学生の頃、夏休みが終わりにさしかかった頃のような気分だった。

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今年のGWは京都に帰ってました。


まあ、今年は正月も修士論文のために帰れなかったし、ここで一回帰った方がいいかな、と。


それとは別に、今回京都に帰るに当たっては一つの悩みがあった。


実を言うと、大学時代の同級生から同窓会の案内が来ていたのですね(いわゆる語学クラスでの同窓会)。


そもそも、別に悩むことでもないんだろうけど、私は大学卒業以来ほとんど誰とも連絡を取ってないし、前のこの記事にも書いたとおり大学時代にはそれほど思い出もないし、今以上に人見知りが強くてあんまりしゃべってなかったはずだから存在感もないだろうし誰も私のことを覚えていないのではないか?と。


一応、同窓会の通知は実家の親から転送されてきた葉書で知ったものの、出席するかどうかについてはかなり迷いがあった。
親に「あんた、同窓会行くの?知ってる人いるの?」と言われて「まだ決めてない」ととりあえず答えた。


いろいろと迷いはあったが、とりあえず行くだけは行ってみようと思った。馴染めない雰囲気ならさっさと帰ればいいか、と思ったので。


で、結果から言うと私の心配は杞憂に終わったのですが。一応、ちゃんと覚えられているようでした。まあ、語学は卒業のためにとりあえず真面目に出席してたし・・・


(むしろ、10年前から全然変わってない、と言われた。昔はメガネもかけてなかったのに?)


私が今現在東京にいることや、今の仕事について話すと、それなりにサプライズがあるようでした。彼らにとっては、10年前からいなくなっていた行方不明者を発見したようなものなんだろうなあ、と言う感じでした。



その席上、同級生の一人の発言「今考えてみたら、大学に4年間いたけど、女の子と遊んだ記憶くらいしかないなあ・・・」と。


女の子と遊んだ記憶があるだけいいじゃねえか、とも思ったが、法曹になったような人たちを除けば、みんなそれなりに大学生活で「あんまり何にもしてなかったなあ・・・」と言う思いはあるようで。なんだ、自分だけじゃなかったのか、と。


私が、社会人大学院で修士を取った話をして「大学四年間より、この二年間ではるかに勉強したね」と言うと「そりゃそうだろう」と、かなりの人間が賛同した。大学時代に真面目に勉強したのは、一部の人に限られるということらしい。


思えば、大学時代に自分の能力に絶望して(・・・ってほどでもないか。失望くらいかな)勉強もあんまり真剣にやらなかったことと、それに対するわだかまりがどうしても拭い去れなかったことが今の私につながっている。法学部出身者なのに、法律に対して一種のトラウマのような状態になってしまい、「あんまり法律に関係しない仕事の方が・・・」という気持が入社当初から確かにあった。でも、やはり未練はあるのか、ロースクールの適性試験を受けたりもしているのだが。


そんなわけで、4年間も何で無駄にしたんだろう、と言う気持ちが常にあったのだが、何となく一区切りがついたような気分になった。4年間はともかく、その後の11年間は決して無駄にはしてないし、法曹にはなれなかったがもう特になる必要もないか、と言う気もしてきている。論文の出来には満足していないものの、修士も一応とったわけだし。さぼってはいない。


長い長い夏休みの後、未提出のまま放りだしてきた宿題をようやく終えたような感じ、かも知れない。


まっすぐ進むことができなくても、少しずつでも前に進んで行けばいずれはどこかのゴールには辿り着けるんだろうと思う。


いや、私自身はまだ全然「ゴール」に辿りついたと思ってないですけどね。中間チェックポイントくらいかな。