KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

電車で拳銃型ライター「駅員注意でしまっていた」と訂正


この話も、前回と同じくあんまり興味がないのでスルーしてたんですが、おそらく訂正が出されていることは当初のニュースと比べてあまり話題にならないだろうなあ、と思ったので多少はバランスを取るために紹介してみる。


うちのブログで触れたところで影響度ゼロなんですけどね。まあ、こういう話らしいってことで。


電車で拳銃型ライター「駅員注意でしまっていた」と訂正
9月6日21時9分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000012-yom-soci

 電車マナーの悪い高校生(16)を殴ったとして神奈川県警大和署の巡査長(33)が現行犯逮捕されたことに、県内外から県警に巡査長を擁護する意見が6日夕までに約1000件寄せられ、県警は事件についての説明が足りなかったと、異例の2度目の記者会見を行った。


 県警は「寄せられている意見は『高校生が言うことを聞かないから殴った』という誤解に基づいている」と困惑している。


 寄せられた意見のほとんどは「殴ったのは悪いが逮捕する必要はない」「マナーの悪い若者を注意できなくなる」「厳しい処分をしないで」などと巡査長を擁護する内容。数件だけ「暴力は絶対にいけない」と巡査長の行動をいさめる意見があったという。

一応、もうひとつ。


平手打ち警官に支持多数=電話、メール2千件超す−神奈川県警
9月6日18時1分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000121-jij-soci

 電車内で騒いでいた男子高校生(16)を平手打ちした神奈川県警の巡査長(33)が傷害の現行犯で逮捕された事件で、県警本部などに巡査長の行為を「よくやった」などと支持する電話やメールが6日午後4時現在、2000件以上寄せられた。県警監察官室は「巡査長は明らかにやり過ぎだった」として、思わぬ反響に困惑している。
 監察官室によると、電話やメールは「よくやったというべきだ」「警官の行動を支持する」「注意できる大人がいない中、警察官の行動は安心できる」「寛大な処置をお願いします」など、ほとんどが巡査長の行為を肯定する内容だった。
 これに対し、「厳しく処分しろ」など批判的な内容は4件しかなかったという。
 監察官室は「普段、電車内のマナーの悪さに不快感を抱いている人が敏感に反応したようだ」と分析した上で、「警察官として殴る行為は肯定できない。詳しい経緯も捜査中で、巡査長を一方的に英雄視する声には戸惑いを感じる」としている。 

事実がどうだったのか知る由もないですが、監査官室の困惑をどう解釈すべきなんでしょうかね。手放しで褒めるのは少し待った方が良いのかも?


自分も平手打ちで逮捕と言うのは大げさではないか、と思いますが、警察官であることを重く見たのでしょうね。身内に甘いと思われないようにある程度は厳しくする必要があるんでしょう。巡査長レベルだから厳しいのではないか、と言う気もしなくはないですが。


しかし、体罰ネタってなんか人気があるみたいだなあ。別に自分は「暴力は絶対にいけない」とは全く思わないけど、なんだかなあ。


※読売の続報。

「注意でなく因縁つけ」高校生殴打、神奈川県警が追加会見
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070906it12.htm

 電車マナーの悪い男子高校生(16)を殴ったとして現行犯逮捕された神奈川県警大和署の巡査長(33)(釈放)を擁護する意見が、県内外から県警に約1000件寄せられ、県警は6日、事件についての説明が足りなかったと異例の追加の記者会見を行った。

 県警は「寄せられた意見は、『高校生が言うことを聞かないから殴った』という誤解に基づいている」と困惑している。

 意見のほとんどは「殴ったのは悪いが逮捕する必要はない」「マナーの悪い若者を注意できなくなる」「厳しい処分をしないで」などと巡査長を擁護する内容。数件だけ「暴力は絶対にいけない」と非難する意見があった。

 再会見は、巡査長が逮捕された翌日の5日に続くもので、西村昇監察官室長が行った。西村室長は「高校生は駅員らに注意を受けて素直に従っていた。巡査長はいきなり高校生の髪の毛をつかんで殴った」と説明。高校生の母親からも「事実関係が間違って伝えられている」と苦情が寄せられているとした。

 県警によると、高校生は4日夜、横浜市旭区の相鉄線二俣川駅で、普通電車の中からホームに向けて拳銃型のライターを撃つまねをした。車掌らが注意し、高校生は「分かりました」と従い、ライターをカバンにしまった。隣の車両からその様子を見ていた巡査長は、高校生が友人と談笑しているのを「反省していない」と思い込み、次の駅で降りた高校生を呼び止め、髪の毛とカバンをいきなりつかみ、「カバンの中のものを出せ」と顔を殴った。この間、高校生は反論しないで黙っていた。

 県警は「巡査長の行為は警察官として許されない行為。注意したというより、因縁をつけて殴った状況で、巡査長の行動を正当化する見方に戸惑いを感じる」としている。

(2007年9月6日23時33分 読売新聞)

うーん。なんつーか、微妙・・・・。釈放されてるみたいだし、元々大騒ぎする話でもないような・・・・。
銃殺事件と言う大型の不祥事があったあとだから、警察もピリピリしてるのかも知れん。



痛いニュースで紹介されてました。
「拳銃型ライター、高校生は駅員の注意で素直にしまっていた。巡査長はいきなり殴った」…神奈川県警が会見で訂正
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1027863.html

846 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2007/09/06(木) 21:50:47 ID:fwA67Z100
おまいら、この次逆転報道でたらどうしますか?
今回の報道鵜呑みにするのも先の報道鵜呑みにするのも
同じくらいイタイかもしれませんよ?


885 名前:名無しさん@八周年[sage] 投稿日:2007/09/06(木) 21:52:25 ID:iDNRlbSR0
>>846
警官逮捕の謎が解けてすっきりしたけど


948 名前:名無しさん@八周年 投稿日:2007/09/06(木) 21:54:59 id:sVSWOJ4M0
>>846
警察の体質批判しか無いだろ。
訂正会見だけでも、最初にしっかり事実関係を把握せず発表したという事になるし。


978 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2007/09/06(木) 21:56:10 id:I7lSQKM00
>>846
だから、生暖かい視線で見守るしかないんだよ、俺らには。

まあ、最初にスルーしてたから言えることかも知れんけど、最初の報道見たら警官の肩を持ちたくなるのは無理もないし、抗議メール出した人はそんなに変なことはしてないようにも思える。問題があるとしたらむしろ県警の情報開示の仕方の方では。(前の報道は不自然な点は確かにあるが、ここから後の報道を予測するのは難しい)


訂正報道を素直に受け取るなら、高校生は人の話を聞けないほどしつけが悪いわけでもなさそうだし、県警はそれほど不当な逮捕をしたわけでもなさそうだし、駅員はきちんと仕事してたみたいだし、「正しいことをして逮捕されるなんて世の中腐ってるぜ」と言いたい人にはかえって不満かも知れないが、まあこんなもんでしょう。

「訂正の方は大して話題にもされないだろうなあ」と言う私の予測は、いい方向に裏切られたようです。*1


そりゃまあ、陰謀論を膨らまそうと思えばいくらでも出来そうな話だけど、そこまで妄想をたくましくしなくてもねえ。

※鉄道会社の証言
http://www.j-cast.com/2007/09/07011112.html

車内には友人のほかだれもいなかった


高校生に注意したのと、最初から暴力を振るったのではまるで違う。ところで、本当に、暴力を振るうほどの迷惑行為が電車内であったのだろうか。


この点に関して、J-CASTニュースでは、相鉄本社に取材して、注意した車掌の証言を求めた。すると、高校生が車内にいた当時の意外な状況が分かってきた。同社の広報担当者によると、概略は次の通りだ。


高校生は、友人と2人で二俣川駅に停車中の電車に駆け込んできた。そして、友人が座席に寝転がり、高校生は扉付近でホームに向けて例の拳銃型ライターを構えていた。そこに、たまたま、車内巡回中の車掌が通りがかり、「止めて下さい」と声をかけた。高校生は、「すいませんでした」と車掌に謝り、ライターをバックにしまい、友人も起き上がった。特に口論などはなかったという。


火曜日の午後10時半ごろだったが、横浜駅方向に向かう上り線であったため、乗客は少なく、車掌の証言によると、高校生がいた車両は誰もいなかった。電車は急行待ちをしていたが、ホームにもほとんど人がいなかったという。


相鉄の広報担当者は、J-CASTニュースに対し、「拳銃型ライターを向けられて困った人がホームにいたわけでもないようです。しかし、拳銃のようなものを持っていたので、当然車掌は注意しました」と話す。隣の車両にいたという小磯巡査長については、車掌は知らないという。


小磯巡査長は、乗客に迷惑をかけたことに憤ったというよりも、高校生が反省していないように見え、その後を追って短絡的につかみかかったらしい。


このような点は、高校生が乗客に拳銃型ライターを向けていたという報道とも違う。前出の広報県民課報道係は、J-CASTニュースに対し、「『身内をかばっている』との声もあるようだが、当初の説明でも巡査長に甘いことは話していない。巡査長がウソをついていたという話でもない」と釈明している。


「甘いことは話していない」けど重要な情報を伏せていたような気はする。あるいは警察発表の足りない部分について、報道機関が勝手に「行間を埋めた」のか・・・?


後の警察発表と鉄道会社の証言は一致度が高いし、「警察と鉄道会社(またはJ-CASTニュース)が結託して巡査長一人に責任を押し付けようとしている」と言う大型の陰謀論を持ち出さない限り、おそらくこちらが事実に近いのだろう。


ところで、最初は良くある「DQNに体罰」のカタルシスネタか、と思っていたがメディアリテラシーに関係する話になってきてるので私にとっては当初より今の状況の方が興味深かったりする。


※朝日の報道。これだとかなり警官が悪質な印象になる。


注意せず、髪の毛つかんで連れ出す 傷害容疑の巡査長
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200709060440.html

 横浜市旭区の相鉄本線鶴ケ峰駅前で4日夜、高校2年の少年(16)に対する傷害容疑で神奈川県警大和署の巡査長小磯慶洋容疑者(33)が逮捕された事件で、「小磯容疑者が少年を注意しようとした」という県警の当初の説明と違い、小磯容疑者がいきなり少年の髪の毛をつかんで駅の外に連れ出し、顔を平手で殴っていたことが6日、県警の調べで分かった。


 監察官室によると、少年は電車内で拳銃型ライターを構え、駅員らから注意を受けてライターをかばんにしまった。同駅で下車した少年が駅の階段を下りる途中、酒を飲んだ帰りの小磯容疑者が「ちょっと待て」と少年の髪の毛をつかんで路上まで連れて行き、顔を殴ったという。


 少年は「いきなり殴られて怖かった。ライターの柄で鼻も殴られた」という。一方、県警は「巡査長はライターを取り上げた時、鼻にあたったと供述した」と説明した。


 県警によると、小磯容疑者は近くにいた男性が仲裁に入った後も顔を殴り、少年によると、仲裁の男性が「殴ることはない」と言うと、「こういうガキは殴らないとわからない」と言ったという。


 県警の当初の発表を受け、6日夕までに小磯容疑者の行動を支持したり少年を中傷したりする電子メールや電話が県警本部などに約1000件寄せられたという。


 少年の母親(36)は「ちょっとした悪ふざけはあったが、殴るのは行き過ぎ」と話した。

仲裁に入られ、通報されるほど殴ってたわけで。「高校生が報いを受けてないのが不満」って人が居るみたいだけど、そもそも彼は殴られてるわけで。
以前紹介したスレの表現を借りれば、「人を殴れば傷害罪が基本。高校生は誰も殴ってない。巡査長は殴り続けた。それだけのこと」


これでも巡査長を擁護したい人は「最初からこれらの情報が明らかになっていたら巡査長を支持したか」を考えてみると良いのでは。答えがNOなら別にこだわる必要もないと思う。悪いのは県警の情報開示姿勢なわけだから。


後、最初の報道に基づいても、警官を擁護するのはともかく「少年を中傷するメール」を送るのは頂けませんなあ。少年は既に殴られて罰を受けてるし、第三者の通報で逮捕したのは県警だし。


この件で、母親を叩くのもどうかと思う。TBSが不二家について捏造報道を行ったときの記事を再掲。

TVにおけるウソについて
http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20070401#p1

不二家としては、社長も交代してますし社会的制裁はさまざまな形で受けた上で、再建の過程として事実を明らかにしたい、と言う話なわけで。どっちもどっちと言う話ではないと思います。


ただ、不二家側も元々負い目がある話だし、あまり事を荒立てたくないと考える可能性もあるので、実際に法的措置を取るかどうかは微妙な話かもしれません。おそらく、外部機関の人が絡んでなければ、「法的措置」と言う考えも出てこなかったのではないかとも思います。



 正直、不二家に限らず多少弱みがある相手に対し、「どうせ反撃もできまい」とカサにかかって叩きまくるマスコミのやりかたにはかなり気持の悪いものを感じる私です。また、真実を明らかにするならともかく、事実誤認を誘うようなやり方は当然、論外でしょう。

マスコミもネットも、世間を写す鏡に過ぎない、ってことでしょうかね。

*1:「痛いニュース」の当初のニュースと訂正ニュースのコメント数とブックマーク数、ブックマークに付けられたはてなスターの状況を見てると、前者の方が「受ける」ストーリーだったことはやはり間違いないようだけど。