KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

象使い

正月、友達と仕事の話をしながらなんとなく浮かんだ話。

僕らの仕事は、なんと言うか、象をまっすぐ道に沿って歩かせることに似ている。


道に沿って歩くのだから、上り坂であれば高いところに上がれるけれど、下り坂では下に降りるしかない。


もう少し身の軽い動物なら、いろいろと細い道を通って少しでも上に上がることも出来ようが扱うのはなんといっても象だし。


象の持ち主だってそのことは承知して預けてくれているが、この仕事をよく知らない人にはそんなことはわからない。ひどい人になると、谷を通るときでも上に上がれと言わんばかりだが、羽を生やすわけにも行かないだろう。


そもそも、そんなことを言うならはじめから山あり谷ありの道なんか選ぶべきでないわけで。それがお望みなら、平坦な道を選ぶ手だって本当はある。そちらにいかないのは、それだと高いところにも行けないからだ。


山を登ってるときは何も言わないのに、降りてるときにはこの世の終わりのように騒ぎ立てるのには辟易する。


象の持ち主はそれなりに象の扱い方を勉強してくれているのでさすがにそんなことはないが、多少知っている人でも「道のとおりにまっすぐ歩けばいいから簡単でしょう?」みたいな感じになるのはちょっと困る。


大体、道自体がそんなに舗装されてないし、象だって生き物だから目を離すとどこに行くかわからない。万が一、道を外れて怪我でもさせようものなら大変なことになるだろう。


もちろんこれが仕事なので、怪我をさせるようなことはしないが、象の持ち主も色々と気になるのか、この道を歩くときは右足からか左からか、水溜りがあればどうするのか、穴が開いていればどうするのか、なかなか答えが出せないような質問が飛んでくる。


馬に乗るなら早く走ればいいし、犬を飼うなら芸をさせられる。それに引き換え、象はでかいが歩かせるだけではいかにも地味なので、そういう細かい質問にもきちんと答える必要が出てくる。道をはずさせるような象使いはさすがにいないので、そこまで行かないと象使いの差別化がつかないからだ。


かくして、象使いの頭の中は象を足で操りながらも、持ち主への説明をどうしようかと言うことで大部分が占められるのだ。

意味がわからない人がほとんどかも知れないけど、そういう場合は読み流していただければ。