KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

「時計を巻きなおす時がやってきた」のでは?


「前に進むか、後ろに戻るのか」 野田首相が対自民「戦闘モード」に


前に進める価値のある政権だろうか?


久々に、この記事以来の日米株価の比較グラフを更新してみた。

対米追随どころかどんどん差は広がる一方。明らかに民主党政権下で日本の株価は不当に低く抑えられているように見える。


ワンイシューで選挙を進めるのは好かないが、その悪しき前例は小泉郵政選挙である。ならば尚更その轍を踏むべきではないのでは?(言うまでもないが、ワンイシューで選挙をしようとしているのは今回は野田政権である。)


今一度、時計の針を巻き戻して見よう。


福田政権成立後、大連立騒動があった。この際、大連立を持ち出したのは当時の民主党代表である小沢氏であり、それが不調に終わった後、小沢氏は代表を辞任しようとした。その際「今の民主党政権担当能力はない」とはっきりと言っていたが、鳩山氏他の慰留によりとどまった。(この時点で、この党の意思統一のなさが表れている)


日銀総裁選任があった。日銀総裁の選任は両院の同意が必要なので、当時野党ではあるものの既に参議院でねじれ国会を実現していた民主党は完全にそれを悪用した(悪用は言い過ぎで、彼らなりに考えがあったのかもしれない。しかし、私の眼には結果的に悪用としか見えない。何ら対案もださず、文句を言っていれば済む野党の立場を悪用したとしかおもえない。どういう案を考えていたとしてもそれを党の主張として出さない限り、交渉のしようもない)。


関連記事
日銀のゼロ金利政策解除後の金融政策 Part19(経済過去ログ)


統帥権干犯問題について(日本近代史)

前々回紹介したスレでも、今回の日銀総裁選びを統帥権干犯問題になぞらえるレス(>>837)があったが、大して意味があると思えない「日銀の独立性」を盾にして与党に打撃を与えようとしてるところは同じか。(日銀法の改正によって日銀の独立性が担保されるようになったのが平成10年なわけだが、その後の日本経済はそれ以前に比べて良くなったと言えるだろうか?)


財務省出身だったら日銀総裁になれないというなら、人材を選ぶときの選択範囲をわざわざ狭めることになる。何度も指摘されてるように、海外でも珍しい話でもない。百歩譲って財務省以外から選ぶにしても、副総裁候補として挙げられた伊藤隆敏氏を否決してるのは変だ。経済財政諮問会議議員で政界とのつながりが強いからダメだと言うのなら政界とも官僚とも全くパイプのない人を連れて来いって話で、そんな人をいきなり日銀総裁にして上手くいくんだろうか?実質お飾りにしかならないような・・・。


また、インフレターゲット論者だからダメだというのなら、、ここで指摘されているように「インフレターゲットはインフレを起こすことが目的ではなく、インフレを低位だがマイナスではない範囲に安定的に抑える政策だ(したがってガンガンインフレ率をあげようとするわけではない)」ということを説明しているにも関わらずろくに理解してない可能性が高い。


福田首相メルマガには民主党から個人の意見は述べられても、党の意見として総裁にふさわしいと考える人物」の名前が出されたことは一度もありません」と書かれている。責任の押し付け合いをしているともとれるが、民主党は大連立騒動の際、小沢党首が辞める辞めないで大騒ぎした党なので、本当に党内で意見がまとめられているのか、疑わしくはある。


民主党のストライクゾーンがよくわからないので、ど真ん中に投げないとストライクにならない。今までの流れを見る限り民主の「ど真ん中」とは日銀生え抜きの利上げタカ派のようなので、正直、武藤総裁か福井総裁続投の方がまだマシだったという話になりかねない危惧がある。(まあ、事務次官クラスを続けて2回というのは、いくらストライクゾーンがわからないとは言え暴投のような気はするが・・・今までの経緯もあるだろうから1球目の武藤氏はしょうがないとはいえ2球目の田波氏は無駄球)



少なくとも、民主党日銀総裁・副総裁否決の理由はいまいち納得がいかないし、やはり政争に利用しているとしか思えない。小沢党首が党首会談にも応じないというのはどういうことだろうか。



若手にはちゃんとした人がいるのかもしれないけど、こういうことを平気でする民主党には投票したくないですね。今後、自民党に不満がある時は棄権か(政局的にあまり影響がない)共産党にでも入れることにしよう。


まあ福田首相の判断が問題ないかと言うとそうとも言い切れないようですけど。ただ、彼は一応受けるべきペナルティ(支持率・求心力の低下)を受けることになるし、経緯はどうあれ結果責任は避けられないだろうが、民主党にはそれもない。(財務官ならOKという話は確かにあった・・・とはいえ鳩山氏が言ってただけで小沢氏がどう考えたのかは不明)。

今考えたら、鳩山氏が絡んだことが混乱に拍車をかけたような気もしないでもない。


この時、なぜか日銀総裁選任が遅れた原因は福田首相財務省出身者にこだわったからのようなイメージで取られていた。しかし、民主党が意思統一をしないで各人が好き勝手なことを言ったとしたらまともな交渉が成り立つわけがない。それが政権交代後に如実に出た結果が例の普天間問題ではないのか?民主党には、政権与党として最低限やるべき「党内での意思統一」がなされていたとは到底見えないのだが・・・。


しかも、「財務省出身者だからダメ」=天下りはダメという論理を破ったのはほかならぬ鳩山氏である。


これ、どういうこと?

でも、この人の前職って東京金融取引所社長でしょ・・良く知らないけど、役員に財務省出身者や日銀出身者がいるようだし、これも天下りポストじゃないのか・・・・



武藤氏が民間で働いていなかったって、そりゃ日銀副総裁は民間とは言えない。でも日銀副総裁から総裁への昇格は東京金融取引所社長から日本郵政社長への起用と比べてそんなに不都合なものとも思えないが・・・。



日銀総裁選任のとき、あれほど財務省出身者はダメだとか屁理屈こねてたのは何だったんだ?おまけに金融政策も間違って理解しているようだったし・・・



参考:日銀のゼロ金利政策解除後の金融政策 Part19

http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20080314#p1



大体、この党のやってたことは党内の意見もきちんとまとめず、ただただ自民党の人事案にNoを出してただけだった。その場その場で適当な理屈付けはしてたが、結局景気を考慮せずに利上げを是とする奇妙な経済観と、単なる政局優先の論理によるものだったということだろう。白川総裁が選任されたのも、民主党の言い分が訳が分からない(天下りとはほとんど無関係の東大教授の副総裁就任も蹴っていた)ので、やむをえず副総裁として選任していた白川氏を繰り上げた、という経緯だったと記憶している。そのせいで、副総裁ポストはしばらく空席だった。


パソコンを整理したら、大分前に私が作ってみたちょっとした雑文を見つけた。多分、政権交代前後の民主党と言う政党のあまりの理不尽さに作ったものだろう。ある意味、良い機会なので載せてみる。

自民「財務省経験者の、今の副総裁を総裁にして、あと日銀出身者と東大の先生を副総裁にしたいんだけど。小沢さんも、副総裁昇格で容認してくれそうだったよ」
民主「財務省出身者は天下りになるし、副総裁時代に超低金利政策で庶民を苦しめたからダメ。東大の先生もダメ」
自民「財務省出身の中央銀行総裁って海外でもあるし、不景気時に低金利政策するのってセオリー通りでしょ。中学で習わなかった?」
民主「とにかく、天下りになるのはダメ」
自民「何だかなあ・・・。じゃあ、東大の先生は何でダメなのさ」
民主「インフレターゲット論者だから、調整インフレにされたら困る」
自民「(インフレターゲットって、とにかく無軌道にインフレにするって話じゃないと思うが・・・)そんなこと言ってたら、候補が居なくなるよ。財務次官がダメってこと?財務官レベルだったらどうよ?」
民主「(鳩山←当時の幹事長、ついでに言えば後の首相)まあ、財務官なら・・・」
自民「じゃあ、とりあえず財務官出身者を副総裁候補にするわ」
民主「ごめん、やっぱりダメ。天下りだから」
自民「なんだよお前ら、幹事長が言ったことを信用したらちゃぶ台返すのか。訳わかんねえ。ねじれ状態で、同意しないと決められないんだから、お前らも闇雲に反対反対言ってないでちゃんと意見まとめろよ・・・。しょうがねえなあ、あんまり長い間総裁空席にするわけにいかないから最初に副総裁にした日銀出身者を総裁にするわ。これなら反対できないだろ」
民主「いいよ」
自民「やれやれ、おかげで時間かかった上に副総裁ポストがしばらく空席だよ・・・」


そして政権交代


民主「日本郵政の社長を元大蔵次官にやってもらいます。辞めてから大分たってるし、東京金融取引所って言うとこで働いてたから天下りじゃないよね。」
自民「はあ?そこ、天下りポストじゃねーか・・・。どうみても渡り鳥だろう・・・」

ついでに、うちのブログで一番ブックマーク数を集めたこの記事も。これを見ても、民主党と言う政党がいかに???かわかると思います。

民主党議員のデンパ発言(マクロ経済)を晒すスレ(経済)

今となっては、政権交代の元凶である安倍総裁が再び自民総裁となり、しかもインフレーションターゲティングに積極的な姿勢を見せているのは皮肉ともいえるが・・・。まあ、どう転んでも民主党政権よりは良くなりそうな気がする(私は、基本的に楽観論である)。ボタンの掛け違いが始まった日銀総裁選任の時期がまた近づいているのも、巡り合わせかもしれない。


間違った方向に進むくらいなら、時計の針を巻きなおした方がはるかにマシではないだろうか?


多分、安倍晋三と言う人の資質には疑問をぬぐいされないので、自民にも投票せず、みんなの党辺りに投票するのかなあ、と・・・(民主党はあり得ない!!!)


それに、民主党が前回選挙で押し出した「マニフェスト」とやらを今回前面に出してこないのはなんで?政権与党として今回こそ実現性のある、責任あるマニフェストを出すべきじゃないの?それができないなら「マニフェスト」自体が空手形だったと結論づけざるを得ないと思うのだが・・・それができないなら、民主党と言う政党は失敗に学ぶことすらできない、と言うことになるような気がしてならないのだが・・。


そういうことならわれわれ国民は「民主党」と言う間違った選択肢を選んだことから何を学ぶべきだろうか・・・?という疑問を立てることになるんでしょうね(自分は投票してないけどね・・・)