KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

「夏休み」中に読んだ本


わかりやすくてよい本です。四季報の副読本。


古本病のかかり方 (ちくま文庫)

古本病のかかり方 (ちくま文庫)

私は最近はあんまり古本は買わないのですね。新刊書店で買ってしまうので。
京都にいたころに行ってた古本屋の話が出てたので懐かしかったです。


大問題 ’08 (創元ライブラリ L い 1-43)

大問題 ’08 (創元ライブラリ L い 1-43)

いしいひさいちの政治ネタ四コマ。安倍政権下の参院選惨敗について「前任者のミスは大目に見たが、その後継者には厳しかった。要するに国民大衆が不満だったのは、安倍晋三小泉純一郎ではなかったということだったのだと思う」に同意(いしい氏と文章の人は別人らしいが)。小泉政権下で決められた事柄で後任の首相が矢面にたってひどい目に逢ってるのに(後期高齢者医療制度とか)、小泉首相の人気が未だ高いのは不思議な話だと思う。


日本のお金持ち研究 (日経ビジネス人文庫 ブルー た 11-1)

日本のお金持ち研究 (日経ビジネス人文庫 ブルー た 11-1)

面白かった。「親から相続をうけず、特別な才能がなくともお金持ちにはなれる」という結論は心強い。「となりの億万長者」の内容に通じるものを感じた。でも、やっぱりサラリーマンは不利のような気がする。金持ちになる二大職業は企業経営者と医者だそうだが、医者の中でも勤務医よりは開業医の方が金持ちになるチャンスがあるということらしい。開業医は経営者の側面もあるので、やはり雇われの身では・・・・ということになるんだろうか。


[rakuten:book:11092148:detail]

君主論」から引用された言葉はよく読むが、通して読んだのは初めてでした。論理的な文章は読んでて気持ちよい。


賭博者 (新潮文庫)

賭博者 (新潮文庫)

ドストエフスキーも賭博狂だったそうだが、この話もギャンブルに嵌る心理がよく書けてると思った。面白い。
この本を読もうとしたのは、植島啓司氏の「賭ける魂」に次のような文で引用されていたからだ。

一方は、ロシアの富豪の老婦人が気まぐれに始めた勝負で、カジノで主人公の青年からルーレットのかけ方の手ほどきを受けるところから始まる。

赤・黒、偶数・奇数、前半・後半、数字の系統などさまざまな賭け方を教えてもらった老婦人は、
「じゃ、ゼロってのは何のことだえ?」と質問する。もちろんゼロというのは胴元の勝ちで、台の上の掛け金は全て没収される。
「いいえ、おばあさん。もしその前にゼロに賭けていてうまくゼロが出れば、35倍払ってもらえますよ」
「なんだって、35倍も。それで、ちょいちょい出るのかい?ばかだね、あの人たちはどうして賭けないんだろう?」


そう言って、老婦人はいきなりゼロに賭け始める。ゼロはさっき出たばかりだから当分出ませんよ、という忠告など彼女の耳には入らない。一回目、二回目、三回目・・・ゼロは一向にでない。老婦人はいきり立って金貨二枚を賭ける。すると偶然にもゼロが出る。彼女は顔を輝かせる。さて、次はどこに賭けるか。
「ゼロさ、ゼロだよ!また、ゼロだよ!できる限りたくさん賭けとくれ!」


実際、それまでは大して面白くない話だな、と思ってたのがこの場面から一気に面白くなる。ギャンブルの持つ魅力と恐ろしさを描いた傑作だと思う。


シーゲルのいわゆる赤本。面白かったし、株価が過大評価されがちな成長株より高配当株の方が長期的リターンに資する、という結論も納得のいくものであった。先進国に広がる高齢者問題への懸念について言及し、新興国の経済成長によってそれらの問題は解決されるだろう、という話も、まあ明るい未来という感じで良い。言ってる内容は明快で納得のゆくものであった。現時点の含み損についてはどうにもできないのが辛いところではあるが。