カッコーの巣の上で・昭和良識派の研究
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2007/01/26
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途中まではそうでもないんだけど、後半一気に重苦しくなる逆カタルシスの映画。
精神病院が舞台になっている割には、ほとんどの人はそれほどおかしくない、けどやはりどこかずれてるような感じがする微妙さを上手く演じているように感じました。実際の精神病院がどういうところなのか知らんけど。
悪役になっている婦長も、別に虐待とかをしているわけでもないし、おそらくは本当に熱心な看護婦で、世間一般からするとむしろ善人の部類に入りそうなところがむしろ厄介なのかも知れない、と感じました。
昭和良識派の研究―この時代から何を語り継ぐべきか (光人社NF文庫)
- 作者: 保阪正康
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 2005/04/01
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陸軍良識派の研究と違って、列伝風の体裁はとっていない。色々な示唆に富んだ評論文なので、とりあえず読んで損はないと思う。
以下の引用文は、この本の中の「新・宰相論」から。
もういまさらの話になるかも知れないが、「正義の味方」と「悪役」に誰かと誰かを割り当てるような薄っぺらい二元論や言葉尻を捉えた言葉狩りが国民の投票行動に多大な影響を与えているらしい現状を見ると、この文は苦味を持って読まれなければならないだろう。
もう2年ほど前になろうか、あるテレビ局の幹部が、政治番組をショー化させるために片方に重点を置けとか、あの代議士はテレビのおかげで当選したという放言を吐いたことがあった。
これが事実か否かは定かではないにしても、「政治」というのがこの程度に見くびられているというのは日本の現状ともいえる。