KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

国家論・グッドシェパード


国家論 日本社会をどう強化するか (NHKブックス)

国家論 日本社会をどう強化するか (NHKブックス)

新自由主義に対し批判的なスタンスの本。全般的に、マルクス宇野弘蔵など、種々の資料から丁寧に書いてある本のようだが、私の知識不足もあり、すごく面白い、とは言いずらい。ところどころ、なるほどという記述はあるのですが・・・

最後の結論は良い。

現状を見ると、国家は過去に比べその暴力性をむき出しにしている。これは国家が強くなっている証拠ではありません。逆です。国家は弱くなれば弱くなるほど、むき出しの暴力に依存するようになるのです。日本国家をこのような危機的状況から救い出さなくてはなりません。そうでないと、何よりも暴力性を強めた国家によって、この国に住んでいるわれわれ―日本人でも外国人でも―が被害を蒙るからです。



では、どうすれば国家は強くなるのか。本書をここまで読んだ方はお分かりだと思いますが、ます、社会を強化することです。社会の強化とは、人間がお互いに尊敬しあい、協力し合うことによて実現されます。新自由主義政策の結果、一人ひとりがバラバラにされ、他者や外部世界に対する想像力が弱っている現状を、根本的に立て直さなければなりません。


「そんなことを言っても無理だよ」という声が聞こえてくるのは織り込み済みです。そう、確かに不可能なのだと思います。しかし、不可能であるがゆえにその可能性を追求しなくてはならない。そのために社会にとって必要なのは、社会工学的によく構築された理論であるとか、あるいは「親を愛せ、国家を愛せ、郷土を愛せ」というような法律を作ることではありません。その前に必要とされる重要なことがあります。


私の考えでは、大きな夢を持つことです。会社の社長になりたい、中央官庁の事務次官になりたい、あるいは、内閣総理大臣になりたいなどの夢はスケールが小さすぎます。貧困がまったく存在しない社会、絶対に戦争がない世界、これが私のいう大きな夢、すなわち「究極的なもの」です。こういう夢を実現することに満足を感じる、言い換えるならば、大きな、とてつもなく大きな夢がエゴとなるような人が増えれば社会は強化されると私は考えます。

時間軸が行ったり来たりするので、最初は話に入りにくい。集中してみてないと置いてかれる。


話の全てが明らかになってくる最後の方になると面白くなる。公務員の悲しさを描いた話のようにも思える。


DVDの最初に同じマット・デイモン主演の「ボーン・アルティメイタム」の宣伝が入っている。おなじようなスパイと情報部員の話なのに、ここまで明暗が違うものか。