夜と霧・太陽
- 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
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感動しました。
ここまでひどい状況の中で、ここまで自分自身の心を正常に保つことができるだろうか。
題材が題材だけに、もっとプロパガンダくさい本かと思いましたが・・・・
苦しむことの意味が明らかになると、私たちは収容所生活に横溢していた苦しみを、「抑圧」したり、安手のぎこちない楽観によってごまかすことで軽視し、高をくくることを拒否した。
わたしたちにとっては、苦しむことですら課題だったのであって、その意味深さにもはや目を閉じようとは思わなかった。
わたしたちにととって、苦しむことはなにかをなしとげると言う性格を帯びていた。
・・・・
- 出版社/メーカー: クロックワークス
- 発売日: 2007/03/23
- メディア: DVD
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たけくまメモで紹介されてた映画。
確か、昭和天皇が御前会議で明治天皇の和歌を詠んだのは開戦時の話で、終戦時はいわゆる「聖断」と言う奴でもう少しはっきり意思表示をしていたようなイメージを持っていたのだが、実際の所どうなのだろう。
イッセー尾形の演技が上手い。ただ、ややコミカルな印象を与えてしまうのでやはり日本人監督には作れない映画だろう。
全体的に、声が聞き取りにくかったのが残念だった。あの喋り方を再現するには仕方なかったのかも知れないが。
天皇がチャップリンに似ている、と言われるところも面白い。そのチャップリンが「独裁者」でヒトラーを扱っていることを考えると輪が一つにつながったような感じになる。
ヒトラー最期の12日間のヒトラーがあくまで狂気のかたまりとして描かれているのにくらべると、この映画で描かれている昭和天皇像はかなり好意的に見える。
当時の昭和天皇がヒトラーみたいに自殺することもなく、フセインみたいに穴倉に篭ることもなく、淡々とマッカーサーのところに運命を受け入れに行った、と言うのは何かしら象徴的な出来事のような気もする。