KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

星新一   

読みやすいが故に損をしているのかも・・・。


      星新一     (文学) 
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1175077197/

2 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/03/28(水) 19:29:25
じゃこのスレ、マイ国家にするわ。


4 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/03/28(水) 20:41:37
この人、過小評価されてるよね
学校の先生に昔「星新一は読書の内に入らない」って言われたよ
『処刑』とかものすごい作品だと思うんだけど


6 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 20:52:55
この発想は凄いよな。
物語の新しいお決まりと言うか、雛型を幾つも創った。


17 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/04/01(日) 17:56:56
生活維持省とか月の光とかは完全に大人向けだと思うがな


18 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/04/01(日) 18:29:18
あまりにもそっけない話はさすがに力が抜ける


26 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/04/05(木) 20:28:39
今日本屋行ったら「ボッコちゃん」の帯にミリオンセラーって書いてあった
そんなに売れてるんだな、凄い


27 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/04/05(木) 20:43:40
↓を見ると星作品は文庫だけで3000万部売れている


星作品は文庫の発行部数が3000万部を超え、インターネット社会や環境問題を予言した先見性への
評価も高い。最相さんは、「天才のイメージが先行しがちだが、試行錯誤を重ね意表をつく作品を生み出
していたことが分かった」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20070328i408.htm


28 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/04/05(木) 20:50:10
なんかよくショートショートなんてただの思いつきで書けるってバカにされるけど
雑誌などでプロが時々やる、ショートショート特集読むと
すんごくつまらなくて、思わず星さんの読み返して、すばらしさを改めて思い知る


40 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/04/17(火) 20:01:57
ショートショートばかり取り上げられるけど
お父さんが官僚にどれだけ虐められたか書いた小説を
ぜひ読むべきだ!
タイトルは・・・




>>41がタイトルを紹介するからヨット待て!


41 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/04/17(火) 22:31:46
人民は弱し 官吏は強し


43 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/13(日) 22:23:48
ナイナイの矢部が、移動中の車だか飛行機の中で、
珍しく読書をしたという話をしていた。
「何読んだ?」と訊かれ「ほししんいち」と矢部が答えたとき、
スタッフが爆笑していた。

あー、やっぱりそういう印象の存在なんだなと思った。


44 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/14(月) 20:11:09
>>43
やるせない。


45 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/14(月) 23:30:39
なんで、爆笑なんだろ。
まじめにわからん。

あんまし読んでないか、読めてない人じゃね?


46 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/15(火) 05:07:53
「珍しく書物などを真面目に読んでると思ったら
だれでもが読める本だった」


47 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/17(木) 21:39:31
確かに、星は軽いかもしれんが、教科書や資料集に載ってる偉い作家なのにな。


48 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/18(金) 00:35:40
>>47
実際、そのくらいの評価は受けてもいい人だと思う。
けど、作者が意識して作品の敷居を低く低くと心がけてたものだから、
そのせいで損しちゃってる部分はあるよね。
本当は教養もある人なんだけど。


49 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 00:41:35
まあ、星新一は幼稚だということで
そいつのレベルをおしはかれるな。


50 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/18(金) 09:39:54
読むだけなら小学生でも読める文章だが、底に流れるペシミズムとニヒリズムは大人にならないと本当には理解しにくいものなんだけどね。


51 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 19:07:30
乾いた感じがいいね 悪魔のいる天国とか何度も読んだ 


52 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/18(金) 22:52:33
スキ。
ショートショート書けるアタマが欲しい。。。


53 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 21:29:08
この人の文体、子供の頃から読んでたせいで頭の中に沁みついてる。
エッセイとか小説の解説とか予備知識なしに1、2ページ読んで
この文体星新一だなって思って後ろに載ってる著者名見るとやっぱりそうだったり。


54 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/24(木) 15:38:49
>>52
ショートショートは頭だけでは無理そう。
俺のようなものにはその大変さは想像できないが
メモと格闘し、壁に掛けられた時代物を眺め、部屋の中を歩き回り
目薬をさし、石鹸で手を洗い、
若い頃は異様な出だしを考え、
年配になっては物語の展開に苦心する、そのような努力こそが求められているのかも。


55 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/24(木) 19:23:57
星氏はそうしてたの?


56 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/24(木) 19:39:59
>>55
そうです。
ショートショート以外にもエッセイを多く書いていて、
それらを総合すると>>54のようなことをしていたようです。
東大の薬学部を出ているのに、いろいろな事情で
父親の会社を引き継がなければならなくなったことや、
その会社が倒産したこと。
希望してではなく作家として収入を得るしかない状況になったこと
(本人の話では、会社をつぶした人を他の会社が雇うはずがない)
などが書かれています。
そして、メモを作ること、
そのメモの中から小説のストーリーに使えそうなものを選ぶなど
執筆作業について書かれています。


57 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 20:02:43
農学部


58 名前:56[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 20:41:12
>>57
そうだった。スマン。カビの研究などをしていたんだ。


64 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/05/29(火) 01:44:24
どんだけすごい人かは、最相葉月の評伝を読めばわかるよ
デビュー当時はものすごい注目されたらしいし
タモリとも親友だった


68 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/05/30(水) 09:22:23
晩年の谷崎のインタビューで、最近の作家について訊かれたとき、星新一を読んだと語っていたのが印象に残っているな。
苦労の跡を作品にとどめていないのが、星のすごいところ。
それと、根底にあるのは、どうしようもないニヒリズムなんだよね。
おとなになって再読して、ようやく気がついたよ。


69 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/06/17(日) 22:47:54
「おかしな先祖」っていうのあるけど、
すごく洗練された都会小説としても、読めるよね。
育ちのよさから来る上品さは、ほかの人はまねができないよ。


しかし文体にはすぐに飽きてくる。
イデアが作品の全部であるところに限界があると思う。


72 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/06/18(月) 10:41:33
こどもでも読めるからと言って、内容がこども向きとは限らない、という典型。


75 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/06/22(金) 16:11:21
この人が独特の(筒井が言う所の「透明な」)文体を作るきっかけは
太宰の「ダス・ゲマイネ」をよんで「こんな人がでてきちゃあ文章に凝ったって勝てっこない、話で勝負しよう」ってことになったかららしいね。
どうでもいいがこの二人は没落した中産階級という共通点があるね


76 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/06/22(金) 18:17:19
中産階級ではないよ
どっちもブルジョアのお坊ちゃまじゃんw


77 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/06/22(金) 23:19:21
>>76
いや、当時の社会階級で言えばやっぱり貴族階級が上流かなと思って
いちおう中産階級と言ってみた。
ま、両方ともお坊ちゃんだよな


78 名前:吾輩は名無しである[age] 投稿日:2007/08/02(木) 02:17:35
ウィキ読んだけど、経営がはたんした会社をひきつぐっていうのは、
お金持ち出身といえども、大変なことだと思うよ。


93 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/09/03(月) 21:53:46
高校で初めて星新一を知って、
先輩に「今、星新一にハマってます」って言ったら
星新一?中学生で卒業しろよ!」って笑われました。


94 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/09/03(月) 22:31:34
むしろ30過ぎて読むと、違った良さがわかる


103 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/09/20(木) 00:01:54
星新一を恥ずかしいと言うやつは難しい本を読んで俺格好良いとか思ってるんじゃないの
失礼すぎるぜ


104 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/09/20(木) 23:39:49
読むだけなら小学生でも読めるというのは ものすごいことなんじゃないのかな


106 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/09/21(金) 11:04:02
大人の鬼ごっこの話が面白い


薬を注射して、鬼を追いかけて、見つけると今度は自分が逃げる。
見つからないと薬の毒が回って死ぬ


逃げるほうに成功すると、特権階級に入れるとかいうの


119 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/10/08(月) 09:12:22
普通に長編作家か短編作家に転向すればよかったのに
なんでわざわざ一番苦しいと思われるショートショートの道にこだわったのかね


120 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/08(月) 18:34:56
いちばん苦しくても慣れてたんじゃないかな。


128 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/10/10(水) 16:32:57
星新一泉鏡花なら谷崎は尾崎紅葉だな
星は天才、東大出が難だけど家に金があったから仕方ない。
谷崎は刻苦勉励努力の人、もっとも紅葉は夭折したけど。
第二の谷崎は出ても、第二の星は想像すらできない。


129 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/10(水) 19:15:07
星さんは、特殊だよ。
経営失敗。こんな経験できないもん。


130 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/10(水) 19:33:25
>>129
ニヒリズムというかブラックユーモアというか、屈折した部分はそれから来てる
かも知れないね。


131 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/10(水) 19:55:35
>>128
いやー谷崎だってでないよ。
谷崎はむしろ挫折したことがないから凄い
星は一度絶望したところから生み出されたところが凄いんだよ


141 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/13(土) 05:02:46
少し前に星新一の伝記本みたいなのが出たが読んだ人いる?感想をお願いしたいんだけど。
筒井康隆が絶賛してたけどあの人の文学感はよく分からないから不安だ。


142 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/13(土) 11:02:32
星新一の知らなかった面を見れるのはよかったが
作者の自己主張、一方的なきめつけが頻出するところがウザイ


143 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/10/13(土) 16:49:43
>>141
膨大な資料と取材のたまものだということは一読すればよくわかりますよ。
本人が語らなかった作家以前と晩年の新事実の公表は永年の読者にとっては複雑な思いもしましたが。
星に思い入れのない人は読んでもピンと来ない本かもしれないけど。


144 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/13(土) 17:34:22
晩年の真実・・・コレは買いかもしれんな。


145 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/14(日) 01:03:14
>>141 ブログであちこち感想見てみたら?
前半は父親との関係が主体。
自分は面白く読んだが、かなりびっくりするエピも多かった。


151 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/18(木) 06:46:07
>>142
俗っぽい賞への欲求とかない人のように思ってたのにな。
筒井康隆が褒めるくらいなら、あながち事実に反してるわけでも
ないんだろうが、晩年の記述には辛いものがあったよ。

「もう書けない」ところまで追い詰められ抜け殻になってゆく星新一の姿・・・
悠々自適で隠居してるわけじゃなかったのかと・・・


168 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/10/27(土) 17:04:02
20年ぐらい前に、新聞で読んだんだが、ある高校生が愛読書に星新一を挙げたら、
国語の教師が「そんなつまらないものを読まずに、漱石とか鴎外を読め」と
言ったらしい。
 翌週、星新一本人からの反論が掲載されていた。曰く、
「私は戦前育ちだから音楽はクラシックしか受け付けないが、だからといって
ビートルズは悪いとは思わない」


結局、国語教師のバカさかげん、心の狭さがよけい目立ったわけ。
なんとも、スマートな反論ではないか。



169 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/28(日) 04:35:10
高校の時の担任(国語教師)から薦められて読んでみたけど、自分には合わなかったな この人。
70、80年代ではすごく新鮮だったのかもしれない


171 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/10/29(月) 15:42:24
「私は団塊育ちだから小説は星新一しか受け付けないが、だからといって
ラノベは悪いとは思わない」


174 名前:吾輩は名無しである[sage] 投稿日:2007/11/05(月) 08:31:25
>>168
自分は中学のときに「お〜いでてこい」読んで入ったクチだけども、
どっちかっていうと氏の厭世的な感じに妙に惹かれたとこがあったんだよな
だから「子供向け」と言われてることに?だった。こんなシニカルなのに


176 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/11/05(月) 15:12:20
>>169
時代もあるかもしれないが、それよりその人にとって、いつ出会うかの方が大きいでしょう。
いつか読みたくなるときがあるかもしれませんよ。


私は35年前にラジオ放送で聞いたのが初めての出会いでした。
高校生だった当時、本を読まなかったので
放送がなければ良さを知らずにすごしたかもしれない。


そんな読書と無縁だった私を本の世界に招待してくれたのが星新一でした。
その頃は文庫本が少ししか出てなくて、作品がたまって新しい単行本が出るのを楽しみにしていた。


193 名前:吾輩は名無しである 投稿日:2007/11/25(日) 09:40:50
10月発売の「小説新潮」が没後10年・星新一特集号だった。780円。
今で言うと俳優の児玉清さんみたいだね。
目次にはホシヅル(ひよこみたいなイラスト)が書いてあるよ。
今ならバックナンバーあり。
旧・星製薬(現在の「TOC」の一部、東京・品川区)が自分の実家のそばでビックリした。

Wikiの「星製薬」「TOC」の項目を見ていると星新一は父から星製薬を継いだあと、経営難からホテルニューオータニの創業者に譲渡したということらしい。

星製薬-wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E8%A3%BD%E8%96%AC

星製薬株式会社(ほしせいやく)は、東京都品川区西五反田7丁目22番17号 TOCビル2階に本社を置く医薬品製造販売業・化粧品製造販売・動物用製造医薬品販売を行う企業である。株式会社テーオーシーの子会社。SF作家星新一の実父である星一が創業したが、戦後経営不振に陥り、後を引き継いだ新一はホテルニューオータニを創業した大谷家へ譲渡を余儀なくされる。

テーオーシー-wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC

沿革
1926年4月 星製薬株式会社を設立。
1967年7月 子会社として株式会社東京卸売りセンターを設立。
1982年4月 株式会社東京卸売りセンターと合併し、現在の社名に変更。医薬品販売部門として新たに子会社・星製薬株式会社を設立。
1983年12月 東京証券取引所2部上場。
1986年9月 東京証券取引所1部指定替え。
2003年10月 医薬品製造部門を株式会社テーオーシーから、星製薬株式会社に承継。
2007年5月 経営陣がマネジメント・バイ・アウトMBO)を実施するも、株主の賛同が得られず失敗。

このテーオーシーと言う会社は、今年の7月頃に敵対的買収の対象となっていたのでご記憶の方も多いのでは。

結果としては創業者一族(といっても星家ではなく、大谷一族)が守りとおしたわけですが。


ダヴィンチのテーオーシーへのTOB不成立、敵対的TOBの成功事例とならず
http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q3/540453/

不動産投資のダヴィンチ・アドバイザーズは、ビル経営のテーオーシーに対する株式公開買付け(TOB)が不成立に終わったと発表した。経営陣の反対のもとで実施した敵対的TOBとして、初の成功事例になるとの観測もあったが、応募した株主が予定の過半数に達しなかった。

ダヴィンチによると、TOBに応募したのは、テーオーシーの発行済み株式の34.6%、4734万8710株。買付け予定数の下限である45.0%、6159万7000株に届かず、テーオーシーの経営権を握れる見込みが立たなかった。

TOBは5月21日―7月23日、テーオーシー株1株につき1308円で実施した。これはテーオーシーの経営陣が実施した自社株取得(MBO)価格800円に63.5%上乗せした額だった。ダヴィンチは「テーオーシー株式の近年における最高値の水準」とし応募を見込んでいたが、今回のTOB不成立を受け「過半数超の株主にとっては十分な買付価格水準ではないと判断された」と述べている。

テーオーシーでは、ダヴィンチの子会社が金融庁から業務停止命令を受けていた経緯があることから、同社グループの法令順守体制に問題があるとして反対していた。

まあ、星新一が明け渡した会社がさらに不動産投資会社のTOBの対象になってたわけで、因果はめぐるというか資本の論理と言うのは面白いものだなあ、と。(星新一は別に追い出されたわけではなく、経営難でどうにもならなかったから譲渡したということらしいが)月並みだが、自分がかつて経営した会社の運命に、作家星新一が生きていたらどう反応したか、ちょっと興味深い。


スレ中で話題になってる最相葉月による評伝については、既にこのブログで言及した。

[読書日記]瀬島龍三/星新一
http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20070717#p2

イメージ的には、星新一の作品は上品すぎて後に残らないというか、一気にワクワクと読み進めるというよりは折に触れて少しずつ読むもの、と言う感じがあった。


ショートショートの広場」の編者コメントに「ショートショートは軽薄なものと見られ、とかく軽視されがちであるが・・・・」と言うようなコメントを書かれていた記憶がある。若干含みを持った書き方が上品な作風と合わず、少し首をかしげた記憶があったが、この本を読んで、星新一氏の鬱屈が分かるような気がした。


大会社の御曹司として生まれながら父の後を引き継げず、ショートショートの第一人者として有名にはなるものの文学者としては評価されず・・・・。作品の表には出していないが、色々と思うところがあったのだろうか。才能も財産も全てある人生だったのに、それを生かし切れなかったというのは、凡人には計り知れない悩みがあったに違いない。


テーマとしては、人類滅亡とか過激なテーマも扱っているのに、えぐみを感じさせず、どこか品がある。藤子F氏の短編と似たような感じで、人類や社会全体を突き放して俯瞰しているような感じだろうか?

ちょっと書き方が分かりにくかったが、最後の段落の「テーマとしては〜」のくだりは評伝についてではなく、星新一作品についてのものです。もともと理系の人だからかも知れないけど、思考実験的な雰囲気があるんですね。何か異常な事象が起こった場合、人間がどう反応するか、みたいな。今思えば薬品会社の御曹司だけあって、薬品開発の話も結構あったかなあ。


「中学生でも読める」ではなく「中学生しか読めない」部分もあるように思う。大体、長くても短くても文章を読むのは最初が一番大変で、いったん作品の空気というか構造が頭に入れば割と楽に読めるところがあると思う。ショートショートをいくつも読むのはスタートダッシュを繰り返させられるようなもので、同じ枚数を読む場合でも長編を一つ読むよりショートショートをいくつも読むほうが遥かに疲労するのではないか、と感じている。時間も体力もある学生時分でないと結構難しい。


読むほうでもそうなのだから、書くほうの苦労はどの程度なのか・・・・。ショートショートだけで1001話作る作家など、おそらく今後も出ないんじゃないかと思う。