KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

都知事選

どうも、今回の都知事選は変な感じだ。


今までも、石原慎太郎が好きか嫌いかだけの選挙だったので、政策論争なんかまともになされていなかったと言えばその通りなのだが、今回はそれに加えて、都民の多くがそんなに興味が強いと思えない「脱原発」が無理やり争点化されてる感じで気持ち悪い。


実際、都民の声としてはこんな感じらしいし。
舛添氏リード、宇都宮氏と細川氏追う…都知事選

都知事選の争点で重視する課題を複数回答で聞いたところ、「医療や福祉政策」を選んだ人が84%で最多。「地震などの防災対策」が81%、「景気や雇用対策」が75%、「防犯や治安対策」が68%で続き、生活に密着した課題が上位に並んだ。

原発・エネルギー問題なんか出てきてないのに、ここで原発の話をすることにどれほどの意味があるのだろう。


東京新聞の調査でもこんな感じのようだ。

都知事選世論調査 原発公約重視6割

原発を「重要な電源」と位置づける政府方針に対し「ある程度時間をかけて原発ゼロにする」(54・0%)と「すぐゼロにする」(9・3%)を合わせた脱原発派は63・3%。「政府方針で良い」の8・9%、「原発は極力減らしていくが、ゼロにはしない」の25・8%を合わせた原発維持派の34・7%を上回った。


 新知事に力を入れてほしい政策としては「医療・福祉」が最も多く26・4%。これに「教育・子育て」が18・2%で続き、「原発・エネルギー政策」と「防災」(ともに14・3%)の順となった。

見出しでは脱原発を重視している都民が多いかのように書いているが、都民が重視している政策は「医療・福祉」と「教育・子育て」。
さらに、脱原発派の中でも、「即時ゼロ」は少数派であり、ほとんどはある程度の時間がかかることはやむを得ないと考えていることがわかる。


そうすると、「原発即時ゼロ」以外にそもそも何にも考えてないように見える細川候補に魅力を感じる都民がどれほどいるのか、と言う話になる。まだほかの政策に目配りのある宇都宮候補の方がまだまし、と言うことになるのでは。


それに、最有力候補である舛添氏も脱原発に言及したこともあり、ガリガリの推進派と言うわけではない。そうなると、なおも脱原発の争点としての意義は薄れることになる。


はっきり言って、細川氏は本人が元首相で後ろ盾にも何人か首相がいることを除けば、まるで泡沫候補のような印象さえ受ける。陶芸家として浮世離れした生活を送ってきた人が、私財を投じて自分の主張を言いたいだけで出馬した、みたいな。


おそらく、みんな小泉元首相のマジックに乗せられたのだろう。細川氏も、マスコミも、そして民主党も。


小泉元首相は、かつて「参議院で否決された郵政法案を通すために衆議院を解散」と言う非論理的極まりない手法で「郵政民営化ですべてがよくなる」をぶち上げて選挙に大勝した経験を持つ人だ。


あのワンイシューですべてが決まるような選挙も気持ち悪かったが、今回も同じ手が通用すると思ったのだろうか。


周知のように、小泉元首相は郵政解散の後しばらくして首相を退き、あとの面倒なことは安倍首相に引き継がれた。安倍首相は舞い上がっておかしくなったのか、強引な国会運営ですぐ追いつめられて退陣に追い込まれた(まあ、そのあとその失敗にきちんと学んだことは立派だと思う)


小泉元首相がそれほどに情熱を燃やした郵政民営化とはいったいどれほどのものだったのか?その後の評価を知りたいと思い検索してみたが、ご本人のこんなコメントを見つけてなんだかなあ、と言う気持ちになった。

原発ゼロ「郵政民営化の比ではない」

 −−今回の脱原発の主張は郵政民営化と同じぐらい、命を懸けているのか。だとすれば、安倍政権に舵を切らせるために、具体的にどうするか


 「原発をゼロにして自然を資源にエネルギー施策を展開しようというのだから、郵政民営化どころの比ではない。」

言いきっちゃったよ、この人・・・。


私の記憶のある限り、小泉純一郎と言えば、口を開けば郵政、郵政の人でそのまま首相にまで上り詰めたという印象の人だった。その人が必死になってやると言ったからこそ郵政選挙での勝利があったと思うのに、簡単に塗り替えられる程度の信条だったらしい。


原発で小泉元首相に期待してる人って、こういう人の言うこと、額面通りに信用できるのかね?


私としては自分自身を餌にして反原発派を釣った、と言う穿った見方の方がまだ信じられますね。


そして、今回も「最初舛添支持しようとしたが、細川氏の出馬を見て鞍替え」と言う一番かっこ悪い選択をした民主党都知事選連敗記録が続くのか、そこも注目ですね。