KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

菅首相には頑張って欲しいですね。

最初、「鳩山内閣とは何だったのか」というタイトルにしようかと思ったが、もう旬を過ぎたかなあ、と。


まずは、何度か作っているいつものグラフ。青がTOPIX、赤がS&P。
(以前作ったのは、鳩山内閣組閣のちょっと後くらい。参考記事⇒これじゃ対米追随の方がマシだなあ・・)


こうしてみると、鳩山内閣の酷さが目立つが、この期間を詳しく見ていくと、こういう特徴も見られます。


政権交代が確実になって以降、TOPIXはどんどんS&Pに差をつけられて、世界的な景気回復に出遅れていることが明らかなわけですが、1月初めの藤井財務相の辞任以降は、とりあえず差は縮まらないにしても広がることもなくなっています。

グラフでは分かりにくいと思うのでこの期間の騰落率を比べるとこんな感じです。


2009年8月末〜2009年12月末

TOPIX    -6.0%
S&P     9.3%
リターン差  -15.3%


2009年12月〜2010年5月

TOPIX    -1.0%
S&P     1.6%
リターン差  -2.5%


数字で見ると歴然とした差があることがおわかりになるかと(後半部分も負けているのが悲しいところではありますが)。


この、藤井元財務相はこの不況期に円高容認どころか推奨とも言いかねないような円高論者として有名だったようでして、当ブログでも以前取り上げたことがあります。


民主党議員のデンパ発言(マクロ経済)を晒すスレ(経済)
http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20090905/p1

13 名前:金持ち名無しさん、貧乏名無しさん[] 投稿日:2009/09/03(木) 02:29:45

民主党の重鎮、藤井裕久 が語る

http://www.fujii-hirohisa.jp/taiking%20list/talking%20list_061112_seinenkyoku.htm

さらに、昭和4年には世界的に大恐慌が発生した。

これはやっぱり、第一次大戦バブルが世界中にあったのですね。

その時の民政党内閣は、私は民政党内閣の浜口雄幸井上準之助蔵相を尊敬していますが、

その時、要するに、今までの相当水膨れした経済を立て直そうとして緊縮政策をとった訳です。

これが昭和4年以降。

国内を緊縮したばかりではなく、金解禁をやった訳です。

金解禁というのは難しい言葉ですが、強制的円高政策です。


今、日本で1ドルが100円とすると、政府の指示によって80円にしたとそう思えばいいです。

そういうことによって、日本財界の水膨れした体質を是正しようとした

今見ても頭がくらくらするような発言ですが、マーケットは素直に反応して、政権交代が確実になってから藤井元財務相が辞任する前月くらいまで、一直線の円高が進んでいました。

ドル円レート

円高になると海外旅行にも行きやすいし、円の価値が上がっているということだからいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが・・・・

NHK週刊こどもニュース09/11/28放送「デフレって?円高って?」
http://cgi2.nhk.or.jp/kdns/mwakari/mwakari_detail.cgi?id=198&y=2009&s=asc&w=

アメリカのものを安く買えるのですが、そういう製品がどんどん入ってくると日本でつくったものも安くしなくては買ってもらえなくなってしまいます。
 
だから、価格を下げる。そうするとデフレがさらに進む危険性があるのです。

 
これをアメリカの側から見ると、これまで100円の日本製のお団子は1ドルで買えていました。
それが1ドル50円になると、2ドル出さなければ買えなくなります。
つまりドルが安くなったわけです。これをドル安といいます。

日本はアメリカなど世界に車や液晶テレビなどを売っています。
でも、円高になると、外国の人にとってはこれらの製品が高くなり、売れなくなってしまいます。
すると、日本の会社はもうからなくなってしまうのです。

つまり、藤井と言う人は子供でもわかる理屈を無視して、不景気時に円高を容認するような発言をしていたわけですね。財務相としてはいかがなものか。

「こどもの考えならそうなるのかも知れないのかもしれないけど、何か特殊な理由があるんじゃないの?」と言う考えもあるでしょうけど、仮にその考えが正しいならば、NHKは現在の日本にそぐわない内容を放送していることになります。それだったら別の意味で問題では?


藤井元財務相の後任として財務相になったのが菅首相だったわけで、菅首相財務相になった時に円安誘導的な発言をして批判されました。でも、確かに不用意な発言だったかもしれないけど、言ってることの方向性がおかしくないだけ前任者よりはマシではないでしょうか。


菅氏に対しては色々な意見があると思いますが、それでも民主党の中ではまだマシな印象を持っています。上記の円安発言もありますし、リフレに対してもある程度は理解があるような発言が過去にあるし、金融国会時に金融問題を政局に持っていかなかったことなど、日銀総裁選任時に表に出てきた人たちのどうしようもなさに比べればまだ良心的な部類に入る人ではないかと。


日銀総裁選任時の民主党の行動(その後の大蔵役人の郵政社長への渡り容認を考えれば、「天下り」ロジックは完全に破たんしている。金融緩和の否定に至っては論外)がどうにも納得できない私としては、次の参院選民主党に投票することはないとは思いますが、菅氏にはある程度には頑張ってほしいですね。自民党もパッとしないし、もうしばらくは民主党政権が続きそうな気もしてくるし。


参考記事:これ、どういうこと?(MRI)
http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20091021#p1

参考記事:日銀のゼロ金利政策解除後の金融政策 Part19 (MRI)
http://d.hatena.ne.jp/KJ-monasouken/20080314#p1


今の状況で菅氏がこけてしまうと、おそらく仙谷氏・枝野氏あたりの「間違った確信に基づいて一生懸命仕事する、一番迷惑な人たち」の影響力が相対的に強まりかねないしなあ・・・(民主党内の党内政治力学は知らんけど)。
それなら、まだ、菅氏の方が柔軟性がありそうな気がします。




参考記事:菅政権のトンデモな二人(Baatarismの溜息通信)
http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20100605/1275753020