KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

一年間政権を預かった「官房長官」


極東ブログにて、ファイナンシャル・タイムズの記事が紹介されてました。

極東ブログ:フィナンシャルタイムズ曰く、変化が必要なら政権交代しろよ、日本
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2008/09/post-e00c.html

 タイトルをこうすべきか悩んだのは、あとで紹介するけど、若干微妙に書いてあるし、なんかタイトルで釣るというタイプのブログはあまり好きじゃないんだよね、なのだけど、まあ、概ねそういうこと。では、福田首相辞任についてのフィナンシャルタイムズのご託宣のほどは、と。

で、FTの記事というのがこれ。


やはり「その場しのぎ」首相だった 福田氏辞任――フィナンシャル・タイムズ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2008/09/post-e00c.html

福田氏はたとえカリスマ性はなくても、有能な政治家だった。けれども受け継いだのは、手持ちのカードがほとんどないという政治状況で、その中で福田氏はなすすべがなかった。与党をサボタージュしようとやっきになっている野党に参議院が支配されていたというのが、その最たるものだ。おかげで、通常ならすんなり国会を通過するはずの法案を成立させるため、福田氏は政治力の限りを尽くさなくてはならなかったのだ。


国民はこの政治状況にたちまち飽きて、福田氏の責任だと非難。60%台あった支持率はあっという間に30%台かそれ以下に沈んだ。


福田首相ははたから見ると、国内にいるよりも国際舞台にいた方が落ち着くといった様子で、外交面ではそれなりに成果を挙げている。特に日中関係については、長年の対立の後すでに回復しつつあった両国関係をさらに改善させた。


G8サミットの議長を務め終えるまでは辞めないと決心していた首相は、地球温暖化に関する議論の進展に一定の成果を挙げた。国内でも、ほとんど身動きのとれない国会ではあったが、道路特定財源一般財源化について進展させた。しかし結局のところ福田氏には、国民を盛り上げたり、野党の妨害工作を打破するほどの、政治的意志が欠けていた。

まあ、日本の新聞よりは正確に状況を説明しているというべきですね。


世間一般のイメージよりは勤勉な首相だったと思うけどなあ。


福田総裁のガイドライン

82 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 22:07:01 id:K4JDSqwW0

   〃~ ̄ヽ
    6□c□  フフン
    ヽ´┴/
   ( <∨>)つ

福田総理とは、衆参捻れてる中見事にテロとの戦いを継続させる新テロ特措法を成立させ、
C型肝炎問題を見事に解決し、民主党に党首会談を持ちかけて日本の戦後政治の癌小沢一郎の求心力を低下させるのに成功し、
負けたら辞職確定の岩国市市長選挙で僅差ながらも見事に勝利し、
国民の目線にたった消費者省の設立に力いれて、
経団連に給料上げろとせまり、反捕鯨テロリスト「シーシェパード」へ催涙弾発射を名言し、
道路族の抵抗に負けず道路財源の一般財源化を閣議決定して、さらには霞ヶ関の官僚の抵抗に負けず公務員改革をなしとげ
北京五輪の皇室出席という中国からのムチャな要求を見事拒否し、
食糧問題・燃料問題を解決し、日本の国連常任理事国入りのためのアフリカ外交を積極的に行って、
日本固有の領土である竹島を教科書に明記すること決めた総理

まあ、これはいささか「誤解を招く紹介文」ではあるが。FTでも指摘されているとおり、実務能力はあったと思うし、本当にやる気のない人にできる仕事ぶりだったかなあ、という気がしている。


また、外交面での弱腰が指摘されることが多かったが、彼を単純な媚中と割り切るのはちょっと違うんじゃないかと思う。時間はかかったとは言え、冷凍餃子問題については中国側が中国国内での混入を認めるトーンに変化してきているわけで。日本政府が放置していたのなら中国政府にそんな変化が生ずるわけがない。ただ、やはり歯がゆさは残るが・・・・また、対韓国については、竹島問題等について小泉首相などより強硬な姿勢をとっていたのでは。拉致問題も、一時期膠着状態に陥っていたのを、再調査をさせるとこまでは前進させてたのに・・・


惜しむらくは、やはり国民に目を向けて話すことができていなかったところか。パフォーマンス嫌いなところはよく伝わってきたが、首相になった以上それではダメだろう。実際にやる気があるかどうかはともかく、やる気があるようには見せないといけないわけで。よほど画期的なことをやらない限り、実績をみて判断できる国民は稀であるだろう。その実績すら、民主党参院を握られている状況では積み重ねることが難しい。(大体、政策の効果なんてそれほど速効性のあるものでもない気もする。)


うまく世論を味方につけて、民主にプレッシャーを掛ける能力が必要だったのではないかと思うが、彼にはそういう面が決定的に欠けていたといわざるを得ない。自分を「客観的に見れる」ことが醒めた態度につながり、不人気につながった。退陣の会見で切れたのは「客観的に見れる」自分を誇っていたわけではなく、むしろ「客観的に見てしまうとパフォーマンスなんかできないんだ。こういう性格なんだからほっといてくれ」という気持ちだったのかも知れない。


で、そういう自分が選挙に弱いことも自覚していたので、退陣。というわけで、当然批判は受けるだろうが合理的な行動ではある。


結局のところ、福田首相は「官房長官」の枠から抜けられなかったんだろう。官房長官は目の前にある仕事を淡々とこなせばよいが、首相はそれだけではまずくて、選挙のために国民に受けるようなパフォーマンスをせざるを得ないポジションである。福田内閣はほとんどが安倍改造内閣からの引き継ぎだったわけで、前首相が抜けた後、代理で「官房長官」が一年間政権を預かっていたと考えればしっくりくる。



もうすぐ首相でなくなるわけだが、福田康夫氏には「元官房長官」の肩書こそがふさわしい。本人もそっちの方が喜びそうな気さえする。


正直、福田首相についてだけでなく、政治一般についてマスコミももう少し扇動的な報道は控えてもらえんものかなあ、とも思うが。「首相がころころ変わって恥ずかしい」とはよく聞く言葉だが、そもそも国民の方だって郵政選挙であれだけ自民党に勝たせたあと参議院選であれだけ民主に勝たせてるわけで。数年でころころ「国民の声」が変わるんだから、そりゃなあ・・・・。不安定さを国民が選んでるんだからある意味しょうがないんじゃないのと言う気もする。